労災保険法では、保険給付などの決定に対して不服申し立て(審査請求・再審査請求)を行うことができることを定めています。
保険給付の決定に不服がある場合には、審査請求を行うことができます。
(1)請求先
審査請求は、原処分をした行政庁の所在地を管轄する都道府県労働局に置かれた労働者災害補償保険審査官に対して行います。
(2)請求の期限
審査請求の期限は、審査請求人が原処分のあったことを知った日の翌日から起算して60日以内とされています。
(3)請求手続き
審査請求は、文書または口頭で行うことができます。
(4)審査官の決定
審査官が審理を終えたときは、原処分の一部もしくは全部を取り消し、または審査請求の一部もしくは全部を棄却する決定を、文書(決定書)をもって行うこととされています。
なお、審査請求をした日から3ヶ月経過しても審査請求の決定がないときには、労働保険審査会に対して再審査請求を行うことができます。
審査請求の決定に不服がある場合には、再審査請求を行うことができます。
(1)請求先
再審査請求は、労働保険審査会に対して行います。
(2)請求の期限
再審査請求の期限は、審査請求の決定書の謄本が送達された日の翌日から起算して60日以内とされています。
(3)請求手続き
再審査請求は文書で行わなければならないとされています。
(4)審査会の裁決
労働保険審査会は、審理の期日と場所を決めて当事者等に通知し、原則として公開で審理が行われます。
当事者及びその代理人は、審理期日に出席して意見を述べることができます。
審査会が審理を終えたときは、原処分の一部もしくは全部を取り消し、または再審査請求の一部もしくは全部を棄却する裁決を、文書(裁決書)をもって行うこととされています。
S関連社員に労災認定 自殺の原因は長時間労働 自動車販売のS自販北陸(金沢市)に勤務していた男性の自殺は長時間労働による過労と上司のパワハラが原因だとして、遺族補償を求めた審査で、労働保険審査会が20日までに、因果関係を一部認定し支給を認めた。同日、遺族の代理人弁護士が明らかにした。 裁決によると、男性は2010年、S自販北陸に入社し、福井支店の営業部門に配属された。12年7月にうつ病と診断され、同月に24歳で自殺した。自殺直前の3カ月は月100時間以上の時間外労働が続いていた。 裁決は「自殺に追いやった原因は長時間労働」と判断。パワハラには触れなかった。 男性の両親は12年12月、福井労働基準監督署に遺族補償などを請求したが「自殺は業務上の理由ではない」として不支給を決定。両親が労働保険審査会に再審査請求していた。 S自販北陸は「担当者が不在で対応できない」としている。 |
保険給付の処分の取り消しの訴えは、再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でないと提起できないとされています。ただし、再審査請求をした日から3ヶ月経過しても裁決がないとき等には訴えを提起できます。